商売繁盛、家内安全、必勝祈願、開運祈願…。日本では祈りを表した縁起物の置物が好まれる。その代表が招き猫、だるま、ふくろうの３つだろう。京都の伝統工芸「京陶人形」の企画製造販売を行っている土田人形は、この３つに着目した「願掛け人形」を開発した。その名も「まねくねこ」「かつだるま」「ふくふくろう」である。
　京陶人形は土人形の一種で、成型し素焼して顔料で彩色し、顔を描き入れて仕上げる。「願掛け人形」もこの工程に沿っているが、彩色は白1色とし、顔を描き入れずに仕上げた。あえてミニマムなデザインにすることで、現代の暮らしの中に取り入れやすくしたのだ。白1色だけで猫、だるま、ふくろうの姿を表現するには、代表取締役社長、土田博之の原型づくりの腕が問われた。「ふくろうが難しかった。モコモコした柔らかい毛並みを表現しつつ、どこまでデフォルメすればいいのかに苦心した」と言う。また、パッケージにもキャッチーさを取り入れた。