「絲tabane」は、最高級の純金糸を贅沢に使ったジュエリーブランドである。純金糸は細く裁断した純金箔を芯糸に縒ったものだ。開発したのは、明治30年より金銀糸製造を行っている寺島保太良商店である。元々、金銀糸は皇族や貴族の衣装に用いられ、明治時代より庶民にも広まり、現在は西陣織や力士の化粧まわし、祭礼の刺繍幕などに使われている。それでも市場が限られていることから、代表取締役の寺島大悟は「多くの人々に金銀糸の美しさを伝えたい」との思いで、一般市場に向けた商品開発に取り組んでいる。

　同社はジュエリーデザイナーと共に、昨年、純金糸のネックレスとブレスレットを開発した。今回も同様のコンセプトで、より普段使いに向いたチョーカー、ピアスとイヤリング、ブレスレットのＬサイズを開発し、ターゲットの幅を広げた。いずれも留め具には金銀メッキのほか、金銀糸の製作に欠かせない影の主役である漆塗りを採用し、色にバリエーションを加えた。