神前式の式服として用いられる、最も格の高い花嫁衣装である白無垢。また披露宴で羽織ることの多い、赤や金などの華やかな色を用いた色打掛。この伝統的な花嫁衣装を企画製作しているのが、京竹の親会社である。
　しかし近年はウェディングドレスが定着したことや「地味婚」が増えたことから、和装の花嫁衣装への需要が減っている。これに危機を感じた同社の金森智子は「多くの人々の目に触れられる機会を作りたい」と、花嫁衣装を活用した商品開発に乗り出した。
　こうして生まれたのが、はたちの祝いや結婚祝いに贈る記念アルバムである。これは写真を貼ったり、メッセージを書き込んだりできる紙製の蛇腹折りアルバムで、表紙は白と赤の２種類。白い表紙のアルバムは白無垢の生地で袱紗のように丹念に包んで留め、赤い表紙のアルバムは色打掛の生地で同様に包んで留める。アルバムの表紙には、花嫁衣装の吉祥文様として使われる鶴マークをプリントして祝意を表す。