素材:キリ
サイズ:小/H13×W270×D144mm、中/H17×W340×D180mm、大/H20×W406×D214mm
種類:胡粉、蘇芳、藍、炭
技術を転用し、生まれ変わらせる
丸太を裂いた面に現れる線状の凹凸を片木目(へぎめ)と言う。それを模して木目の縁をカンナで削り取り、人工的に凹凸を付けたものを片木目模様と呼ぶ。指物師が茶道具などを製作する際に、この技法を用いて独特の表情を生み出してきた。明治時代初期より桐箱を製造している京都桐箱工芸は、この技法をさらに応用して日常生活の中で使えるトレーを開発した。その名も「Hegi Tray」である。これはキリの軽さを生かした八角形の横長トレーで、サイズは3種類。茶懐石で八寸と呼ばれる盆の角に用いられる、板に切り込みを入れて曲げる折溜(おりだめ)技法で角を滑らかに仕上げた。
さらに見どころは蘇芳(すおう)、藍、炭などで草木染めした色だ。同社にとって草木染めは初めての試みだったが、片木目模様の凹凸が色の濃淡に変わり、味わいのある表情となった。「お客様をもてなすためのカフェトレーや、日々の食事を載せるトレーなどに使ってほしい」と同社の田原寛季は話す。
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