金属に釉薬を盛り付けては何度も焼成し、ガラス質の彩色を施す七宝焼には、アクセサリーから大きな壺まで様々な作品がある。今回、七宝焼の新たな可能性を求めてマリッジリングに挑戦したのが、アーティストの齋藤直子が営むKyoto émail（京都エマイユ）だ。「七宝焼は大事に扱えば永遠に輝くため、マリッジリングに向いている。割れたらメンテナンスも可能」と話す。

　これまでに齋藤はいろいろな釉薬と金・銀・銅線を使って細工を施す有線七宝の作品をつくってきたが、マリッジリング「narsa*anneau」ではシンプルなデザインに徹した。プラチナと18金をベースに、３つのデザインを考案。中でも最もシンプルなのが「虹」で、リングの周縁３分の2に１色のラインを引いただけのデザインである。ほかに日本の伝統文様でもある「唐草」、愛と美を司る「女神」を表現した。約15色の中から色を選べるのも特徴だ。七宝焼の魅力である色で、マリッジリングに求められる個性を提供する。